新鮮野菜をメインにした自然食ゆうどのランチは女性グループを中心に塚原のレストランの中でも人気のお店。ここに通うために塚原に再び訪れる人が後をたたない。
すべての食は土から生まれます。海で捕れる食糧も、塩の組成が地中のミネラルや金属から成り立っていることを見ればその起源は土にたどり着きます。
健康な土から生まれた食物であるかどうかが、食を見極める上での出発点だと言えます。
塚原の甘酒祭りが開かれる霧島神社は、おいしい水が湧き出る観光スポットとしても有名です。お水を汲む時は100円のお賽銭をお忘れなく。
塚原では米作りが行われています。「水田」という名の通り、土とともに水というものが大変重要かつ決定的な役割を果たします。由布岳に降り注いだ雨が、地中に染み込んで、何層もの地層をくぐる過程で、地中のミネラルを吸収し、長い年月、ときには数百年の歳月を経て湧水(伏流水)となって地中から湧き上がります。このように湧き出た状態でそのまま飲める水は、環境危機にある現在の地球上において、存在する水の0.0001%に満たないほど、自然湧水の価値は希少なのです。
この希少な水が運んでくるのは豊富なミネラルにとどまらず、由布岳の広葉樹の落葉が分解され水に溶け込んで豊かな土壌を形成する役目を果たします。この土の中で自然堆肥の中の微生物が繁殖します。健康な土にはスプーン小さじ一杯あたり数十億の微生物が存在しています。この理想に近い条件を塚原の土と水が備えているのは、標高600m、由布岳山麓の最上部にあるという地理的条件に恵まれたこと、つまり米作りにおける自然界からの恩恵を享受できる環境にあることが大きいといえます。
更に米作りにおいては、陽当りの良さ、昼夜の寒暖差、澄んだ空気と次々に必須条件が課されていきますが、このような条件も塚原を訪れれば、この高原地帯が適地であることを実感されることでしょう。そのような意味で塚原の米は、真に貴重な逸品だと言えます。是非、夏の塚原に来て、雄大な由布岳、降り注ぐ太陽、澄み切った空気、そして高原の風に揺れる青々とした水田を見に来てください。この地のお米の素晴らしさに納得されることでしょう。
塚原のイベントで販売される野菜と無農薬米。塚原の旅館でも地元のお米を食事に提供しており好評を得ています。お土産にお買い求めになる方も多いおいしいお米です。
塚原高原竹内牧場「みるく村」の乳牛。こちらのミルクで作ったアイスクリームが塚原の夏の人気メニュー。敷地内フレンチレストラン「レ・ビラージュ」にて食べられる。
塚原の雄大な高原風景はその美しさに時の経つのを忘れるほどですが、それは牧草地が描く優雅な曲線と瑞々しい若草が、都会の直線的な近代建築とは対照的に生命にあふれていることを直感的に感じさせてくれるからでしょう。
この牧草を食みながら、塚原の牛たちは育っていきます。牛は草食動物でありながら、なぜ、あれほどの骨格をしているのでしょう。それは、牛が食べている牧草、この牧草に含まれているカルシウム等のミネラルが、がっしりとした強靭な骨を生み出しているのです。
塚原の牛乳は、あの高原の緑の結晶です。その中に含まれているカルシウムなどの栄養分も、あの草原の土や草から生まれたものです。私たちは、牛を通して、この高原の美しい緑を身体に入れることができます。このようなことからも、すべての命は繋がっていることを垣間見ることができます。塚原の牛乳は濃厚で、ほんとうに美味しい。冷やして飲んでも、ホットミルクにしても、スープに使ってもよし、グラタンやスイーツに使っても出来上がりが全く違います。濃厚さはもちろん香りが断然際立っています。湯布院のスーパー(Aコープ)の牛乳コーナーで「ゆふの薫り」(1リットル250円)というブランドで販売しています。
塚原にはたべもの屋さんがいくつか点在しています。地鶏屋、フレンチ、パン、和食、洋食、スイーツやカフェ、自然食、また宿にも独自の料理があります。そして食事においては外の環境も料理を引き立たせてくれる重要な要素です。
塚原のお店の窓から見える風景はどこも秀逸で、非日常的な高原の草花や空や静けさが心に潤いを与えストレスを和らげてくれます。標高600mの山の時間はゆっくりとやさしく流れていきます。
また、塚原高原は自然豊かなところですが観光地化された商業地ではありません。そんなところで営まれているお店には一つ一つに物語があります。塚原の自然に魅了された人、静かな環境の中で農業や芸術活動に没頭したい人、塚原でお店を開くまでに至るきっかけや動機はそれぞれに興味深いものです。
もしかするとそんな話が近い将来、あなたの背中を押してくれるかもしれません。食事とともに会話も楽しんでください。